アップUP通信

「歯の健康」(6月号Vol.116)

6/4~10は「歯と口の健康週間」です。歯は、健康的な食事をとるために欠かせない大事な体の一部です。
「大人の歯の病気」は、若いうちから対策していかないと死に至るケースもあります。老後も健康的に過ごすために、今から効果的な歯みがきをしていきましょう!

 

 

いつまでも健康な歯を保ちましょう!

咀嚼と歯の本数の関係を調査した結果、「自分の歯が20本以上あれば食生活に支障がない」ということが分かっています。よく噛んで食事をとることが出来ると、消化を助けることができます。
また、顔の筋肉が刺激されて声や表情が豊かになり、脳が刺激され認知症予防にもなると言われています。

しかし、実際には75~84歳の高齢者で20本以上自分の歯を残している人は、たった11.5しかいません。
成人の歯は28~32本なので、多くの人は人生で10本以上の歯を失くしているのです。そして、歯を失う原因は「歯周病」と「虫歯」です。

 

 

大人の歯の病気

歯周病

歯周病とは、歯と歯茎の間の磨き残しから細菌が発生し、そこから歯茎に炎症を起こす病気です。さらに進行が進むと、歯茎内部の歯の支えになる骨が溶けて、最終的には歯が抜けてしまうことに。

歯周病は、成人の約8割が発症しています。その中でも、歯周炎(歯を支える骨が溶け出す)まで発症している人は約3割に上ります。

 

歯周病の怖いところは、全身の病気に繋がっていくことです。歯周病菌は、歯ぐきの毛細血管を介して血流に乗り、全身に回って「狭心症」「脳梗塞」「膵臓がん」などの病気を引き起こします。時には死に至ることもあります。

また糖尿病の人は、そうでない人より多く歯周病にかかっています。逆に歯周病治療を進めると、糖尿病が改善することも分かってきています。

 

 

大人の虫歯

 

1.根元虫歯

大人の虫歯は歯と歯茎の境目によく発生します。これは歯周病や加齢によって歯茎が下がり磨き残しが起こりやすいため。
また、神経に近く柔らかいセメント質や象牙質が露出するので虫歯になりやすいのです。

 

2.再発虫歯

歯と、過去に治療した詰め物や金具との隙間にも要注意です。金属等との境目は歯ブラシが届きにくいため、細菌が付着し虫歯になるケースが多くあります。

 

3.慢性う蝕(しょく)
神経のないエナメル質だけに広くゆっくり進行する虫歯。特に、中高年に多く見られ、痛みを伴わないため発症に気が付かないことがあります。

 

 

 

歯みがきを工夫しよう!

 皆さん、歯のお手入れはどうしていますか? 歯ブラシだけでは歯の汚れは6割ほどしか落とせません。
しかし、デンタルフロスや歯間ブラシをプラスするだけで、9割も落とすことができます。歯と歯の間のお手入れも毎日のケアに取り入れましょう!

 

デンタルフロスを使おう!

  • 歯と歯の間に差し込むときは、ノコギリのように前後にギコギコと動かしながらゆっくり入れましょう。
    歯と歯が接している点は通りにくいですが、歯茎が痛む原因になるので力を入れて押し込まないように!

 

  • 歯の根元と歯肉の隙間まで差し込みましょう。
    抵抗なくスッと入るところまで差し込んでから、上下に数回動かして磨きましょう。

 

  • 歯の側面は両面とも磨きましょう。
    軽く片側に押し付けるようにすると、一面ずつ歯垢を落せます。

 

歯ブラシの向きを意識しよう!

歯と歯茎の境目の磨き残しをなくすには、歯ブラシの角度を工夫しましょう。

歯と歯茎の間に斜め45度で歯ブラシを当て、ブラシの縁で磨くと歯みがきの効果が上がります。

 

歯みがきは1日5回がベスト!

朝起きたとき、3食後、寝る前の1日5回の歯みがきが推奨されています。
寝起きは口の中に大量の細菌が発生していて、口の中がねばついています。そのねばつきをとりましょう。
食後は、歯の表面や歯と歯の間などを、食べカスを取ることを意識して歯みがきをします。
そして夜寝る前は、10~20分かけてゆっくり歯茎まわりを磨くのがおススメです。

5回が難しい場合は、朝起きたときは口をしっかりすすぐ
そして、夜はこれ以降食べたりお茶も飲んだりしないタイミングで、時間をかけて磨きましょう。

 

2021年6月号(アップUP通信)

 

使用イラスト:Flameillust、歯科素材.com
出典: 厚生労働省「歯の健康」、サワイ健康推進課、日本臨床歯周病学会、ライオン歯科衛生研究所、わかもと製薬、オムロン、サンスター
作成:株式会社ワイドソフトデザイン

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