アップUP通信

「腎尿路系」について調べてみたよ(12月号Vol.134)

こんにちは!ふくちゃんです。

実はふくちゃん、数年前から健康診断の「腎尿路系」という項目が気になっていました。
悪いってほどじゃないけど、ちょっとだけ基準値外の人が年々増加していて、なんだろうなぁと。
今年はついに7割の人が基準値外になってしまいました。
他の項目と比べてダントツに多いので「悪化する前になんとかしたい!」ということで、今月のテーマは「腎尿路系」。
みなさんもよかったら自分の「腎尿路系」の結果を確認しつつ読んでください。

 

「腎尿路系」の数値を見てみよう

「腎尿路系」は「腎臓」と「尿路」のことです。
「腎尿路系」に異常が生じると、尿中に存在する細胞や蛋白質・糖などが異常を示し、尿蛋白・尿潜血や・クレアチニン・eGFRなどの結果数値に現れます。
まずは、自分がどの項目で異常値なのか把握しましょう。

【尿蛋白】 基準値:陰性(-)

健康な時の尿には蛋白はほとんど排泄されません。
腎臓病など腎臓に障害があると血液中の蛋白質が尿に漏れ出します。

▶尿蛋白陽性(+)に関する病気

腎臓病、その他尿路の感染症・結石・溶血性貧血など

 

【尿潜血】 基準値:陰性(-)  

膀胱から尿道までの尿路のどこかに出血があると尿中に血液が混ざり、陽性となります。

▶尿潜血陽性(+)に関する病気

腎臓・尿路系の炎症・結石・腫瘍・溶血性貧血など

 

【クレアチニン】基準値:男性1.0㎎/㎗以下/女性0.7㎎/以下

クレアチニンは血液中にある老廃物の一種で通常は腎臓でろ過され尿として排出されます。腎臓の機能が低下すると血液中の濃度が上昇します。

▶クレアチニンの異常に関する病気

高値)急性・慢性糸球体腎炎、腎不全、うっ血性心不全、肝硬変など

低値)筋ジストロフィーなどの筋肉の病気、尿崩症など

 

【eGFR】基準値:60 mℓ/分/1.73 ㎡以上

腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示し、値が低いほど腎臓の働きが低下しています。
GFR値は腎臓病の早期発見に重要な数値です。(90以上→正常、59以下→治療を検討、15未満→透析療法を検討)

▶eGFR低値に関連する病気・症状

慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症などの慢性腎臓病(CKD)

 

 

腎臓の働きを知ろう

腎臓を守るために、まずは腎臓がどんな働きをしてくれているのか知りましょう。

 

①老廃物を体から排出する

腎臓は血液を濾過し、老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出してくれます。また、体に必要なものを再吸収し、体内に留める働きもしています。
腎臓の働きが悪くなると尿が出なくなり、老廃物などが体に蓄積し、尿毒症になってしまうかも・・!

②血圧を調整する

血圧が高いときは、塩分と水分の排出量を増加させて血圧を下げ、血圧が低いときは、塩分と水分の排出量を減少させて血圧を上げます。
また、血圧を維持するホルモンを分泌し、血圧が低いときに血圧を上げます。
腎臓の働きが低下すると高血圧になりますが、その高血圧症は更に腎臓に負担をかけ、腎臓の働きを悪化させる可能性があります。
腎臓と血圧は密接に関係しているといえます。

③血液をつくる

血液(赤血球)は骨髄の中にある細胞が、腎臓から出るホルモンの刺激を受けてつくられます。
腎臓の働きが悪くなると、このホルモンが出てこなくなってしまい、血液が十分につくられずに貧血になることがあります。

④体液量・イオンバランスを調整する 

体内の体液量やイオンバランスを調節し、体に必要なミネラルを体内に取り込みます。腎臓が悪くなると体液量の調節がうまくいかなくなり、体のむくみにつながります。
また、イオンバランスがくずれると、疲れやめまいなどの様々な不調が出てきます。

⑤強い骨をつくる

骨の発育には複数の臓器が関わっていますが、腎臓はカルシウムを体内に吸収する際に必要な活性型ビタミンDをつくっています。
腎臓の働きが悪くなると活性型ビタミンDが低下し、カルシウムが吸収されなくなって骨が弱くなる可能性があります。

 

腎臓が悪くなって、これらができなくなると思うと・・こわいですね。
恥ずかしながらふくちゃんは彼(←腎臓)が私のために365日24時間何してくれているのか知らなかったので、彼(←腎臓)のことを知れば知るほど感謝の気持ちがふくらみました。彼(←腎臓)を一生大事にしようと思います。

 

新たな国民病と言われる慢性腎臓病(CKD)ってなに?

慢性腎臓病(CKD)は腎臓の働きが少しずつ低下していくさまざまな腎臓病の総称であり、1つの病気の名前ではありません。
最近は檀れいさんがCMしていますね(慢性腎臓病啓発.jp)。

慢性腎臓病の初期症状

慢性腎臓病の初期は自覚症状がほとんどありません。知らないうちにどんどん進行し、悪化すると自然治癒ができません。
腎臓病で生命を落とさないためには、早期発見・早期治療が決め手となります。

 

慢性腎臓病を予防するには

慢性腎臓病は、生活習慣病やメタボリックシンドロームとの関連が深く、誰もがかかる可能性があります。
予防の基本は「食生活」。腎臓に過剰に負担をかける食生活をしていると腎臓病になってしまうかもしれません。

◆腎臓に負担をかけない・体外に老廃物を出しやすい・バランスのよい食事を心がけましょう!

まず、塩分コントロールが大切です。塩分の過剰摂取は腎臓を傷めてしまうことがあります。
体外に老廃物を出してくれる食滅繊維や利尿効果があるお茶を飲むことも腎臓のサポートになりますよ。
また、「オルニチン」という成分が腎機能低下防止に効果があります。
オルニチンはシジミや昆布、ヒジキに多く含まれていますが、サプリに頼るのもアリですね!
そして、良質なたんぱく質をとることも大切です。
たんぱく質は身体を形成するのに大切な栄養分ですので、良質なたんぱく質を適量摂取しましょう。

◆適度な運動を心がけましょう。

また、まったく運動をしないと身体の循環を滞らせます。

◆水分補給も大切です。

適量の水分は腎臓を保護する役割があり、水分が不足すると脱水症状を引き起こし腎臓に負担がかかります。
お茶のような利尿作用のある飲み物を飲み、尿で排出されたらまた水分補給してあげることができると良い循環となります。

 

腎臓病を予防するために大切なこと

  1. 適度な運動
  2. 血糖値のコントロール
  3. 血圧のコントロール
  4. 健康的な食事
  5. 適正体重を維持
  6. 水分補給
  7. 禁煙

 

 

eGFR値が改善した人に聞いてみた!

今年の健康診断、色んな数値が改善していたけど、何をしたの?
ラーメンをやめてパンやスープやみそ汁(コンビニ)にして、晩御飯のお米を減らしていました。あとサプリを飲んだり筋トレも少しだけやっていました。
ジムでの運動量を増やして、夜の菓子を我慢しました。あとむくみがひどかったので毎朝バナナを食べていました。
2人とも、体重が減り、脂質代謝もeGFR値も改善していましたね!
気にしていた項目以外も数値が改善されて、身長も伸びました!笑
「塩分控えめ」も心がけていました。体重を減らしたくて色々と頑張っていたのですが、結果的に脂質代謝とeGFR値も改善して得した気分です♪

食生活が直接、腎機能の障害に影響するのではなく、食生活の乱れが血圧や血糖値のコントロールを乱すことによって、腎機能が悪くなることが多いそうです。「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」にならないように生活することが、腎臓病を予防につながるのですね。

 

使用画像:いらすとや / 出典:よくわかる健診、人間ドックガイド、協和キリン、ADPKD.JP、よくわかる慢性腎臓病(CKD)ガイド他
作成:株式会社ワイドソフトデザイン

2022年12月号(アップUP通信)

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