前回はHTC VIVE TRACKERへの入力でした。
https://www.widesoft.co.jp/technology/3687
引き続きVIVE TRACKERネタです・・・
今回はVIVE TRACKERからの出力を取り扱います。
以前に書きましたようにVIVE TRACKERに出力ピンがあり、外部機器を制御する事が可能です。
但し、1系統3.3Vで20mAしか流せないので振動モーター程度ならともかく、他の機器を接続するには工夫が必要です。
取り敢えず振動モーターを接続してみる
スマートフォンなどのバイブレーション機能に使われる振動モーター。
電子部品ショップなどでも取り扱いがありますが、色々な大人の事情でスポット入荷したものを小分けに販売しているものが殆どです。
積極的に選択出来る要素はあまり無く、現在販売されているものから選ばないといけないという…
取り敢えず、5種類ほど購入してみました。
前述の理由でメーカー、型番、スペックなどは不明です。
これを以前紹介した検証用基板に接続出来るよう、加工します。
振動モーターをPOGO pin1,2に接続するだけなので配線図は割愛します。
当初、ヘッダーソケット6Pのみで宙に浮かせて動作確認したのですが、微妙な感じ…
振動モーター基板にヘッダーソケット2Pを追加し、ぐらつきを抑えたところ、随分ましになりました。
※検証基板側にもヘッダーピン2Pを追加しています。画像は追加後のものです。
これでVR関連の案件を扱っているメンバーに様子を見てもらいましょう。
VIVE TRACKERの出力を電源スイッチにする
振動モーターの接続は比較的簡単でしたが、例えばサーキュレーターのようにAC 100Vで駆動する機器はVIVE TRACKERに直接接続する事は出来ません。
しかし、リレー回路を用いるとVIVE TRACKERの出力で外部機器の通電状態を変更出来ます。
今回は以下の制御キットを使用しました。
汎用リレーボード【基板完成品】
http://eleshop.jp/shop/g/g402514/
リレーについては以下のサイトが分かりやすいです。
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/36/65/index.html
画像出展:http://www.kyohritsu.jp/eclib/PROD/MANUAL/kplry01.pdf
図のように結線する事でVIVE TRACKERの出力が有効な間「ON状態になる」/「OFF状態になる」という制御が出来るようになります。
接続機器本体のスイッチはONにしておく必要があります。
接続機器本体のACコードを加工するのが憚られる場合、延長コードを加工/自作するなどして下さい。
AC 100Vとは言え、取り扱いを間違うと非常に危険です。十分に注意願います。
また、リレーの定格がそこまで大きくないので、消費電力が大きなものを接続するのは避けないといけません。
目安としては300W程度でしょうか。これを超えるとリレーの内部端子が損傷する危険性があります。
DC機器を制御したい
先の汎用リレーボードの説明ではAC機器を例にしましたが、同様にDC機器を接続する事も可能です。
すぐに思いつくのはDCファン等のモーター系でしょうか。
ただ、この場合「ON状態」にすると、定格(=全力)で動作する事になります。
定格動作で使用目的にマッチすれば良いのですが、大抵の場合、入手・動作させるまでは分からないのが実情です。
そこで以下のキットを試してみました。
ミニPWM発生器キット
http://eleshop.jp/shop/g/gG1C411/
簡易な対応としてはボリューム(=抵抗)を回路中に組み込む事で調節は可能になりますが、電力を熱として捨てる事になるので好ましくありません。
このキットはPWMという方式で出力を効率良く調節する事が出来ます。要はんだ付けですが…
PWM については以下のサイトが分かりやすいです。
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/e-learning/brushless_motor/chap3/1274512.html
先の汎用リレーボードと組み合わせてDCファンを「いい感じ」で駆動させてみる事にします。
画像出展:http://www.kyohritsu.jp/eclib/PROD/MANUAL/kplry01.pdf
画像出展:http://www.kyohritsu.jp/eclib/DIGIT/KIT/pwm555.pdf
まず、ミニPWM発生器キットへの電力の供給ですが、汎用リレーボードのCN2から取り出します。
汎用リレーボードに接続したACアダプタからの電力がそのまま供給されますので、DC 5Vとなります。
マイナス側はそのまま接続、プラス側は汎用リレー回路のNC/COM端子を経由させ、VIVE TRACKERの出力でOFF→ON制御が出来るようになります。
ミニPWM発生器キットには5Vを供給するので、DCファンは定格5Vのものを選びました。
これで外部電源は1系統で済むのでお手軽です。DC 12Vの機器などを扱う場合、別系統の電源を用意するか、昇圧回路などが必要になります。
むき出しのままでは取り扱いに困るので、取り敢えずケースに収めてみました。
ケース側面に
・5V出力(PWM制御)
・ボリューム
・5V入力
・検証基板への接続ケーブル(POGO pin 1,2)
の順に並べています。
ボリュームの回転角に応じて出力が変化します。つまり、「ON状態」のファンの回転数を目的に合うよう調節する事が出来ました。
注意点としては、ファンなどのモーター系を出力段に接続した場合、ボリュームを絞りすぎると止まってしまう事ですね。
※これはファン側の仕様です。
元々風量の小さい5Vファンですと、変化量も小さいので「達成感」までも小さくなってしまったのは内緒です。
次回のネタは…
以上、駆け足で紹介してきましたが、ハードウェア素人の投稿ですので、生暖かい視点で見ていただければ幸いです。
次回のネタは、うーん。やはりハードウェア絡みになるのかな…